週刊エコノミスト 2024年6/4号【特集:学校激変 暗記から探究へ】

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出版社:毎日新聞出版

暗記から探求へ

従来の学校教育では、正確な1つの回答を求める暗記重視の教育が主流でした。しかし、現実社会でそうした知識をそのまま使う機会はほとんどありません。重要なのは、その知識を応用し、そこで得られる論理的な思考力です。そのため、最初から情報を知識として応用可能な形で習得することが求められています。そうした教育方針を掲げる学校が続々と登場しており、本特集ではその変革の具体例を紹介します。

芝浦工大柏中学校高校

芝浦工大柏中学校高校では、生徒の実践を重視し、学校教育のカリキュラム外の内容であっても自主的な研究を応援しています。例えば、一部の生徒は1台数百万円する研究設備や大学の施設を利用し、大学院レベルの成果を上げることもあります。こうした環境は、若い探求心を育て、将来の科学者や技術者の育成に大きく貢献しています。

大阪府立一貫校

大阪府立一貫校では、国際化の波に対応するために英語での授業を行っています。言語の学習は、単にコミュニケーションの手段としてだけでなく、その言語圏の思考を学ぶことでもあります。思春期にさまざまな思考形態を取り入れることで、人生において優位に立つ助けとなります。英語での授業は、生徒たちに国際的な視野を広げ、自信を持って世界に挑戦する力を養っています。

中高一貫校の改革

中高一貫校では、従来の詰め込み教育を見直し、各生徒のレベルに合わせた段階別授業を行う傾向があります。大学受験に間に合わせるために無理なペースの授業を行うのではなく、適切なペースで授業を進めることが重視されています。こうしたアプローチは、将来的に学び続ける意欲を持つ人材を育成するためにも重要です。生徒たちが自らの興味を追求し、学びの楽しさを感じることができる環境を整えることが目標とされています。

最後に

教育は国の未来を支える最も重要な投資です。日本が長期的に成長していくためには、無意味なばらまき政策よりも、腰を据えた教育改革が必要です。今回紹介したような私立学校からの先進的な取り組みは、今後の公立学校にも波及し、教育全体の質を向上させることが期待されます。教育改革は一朝一夕には成し遂げられませんが、着実に進めることで、未来の日本を支える優秀な人材を育てる基盤が築かれていくことでしょう。

教育の変革は、単なる知識の伝達ではなく、生徒一人ひとりの能力を引き出し、社会で活躍できる力を養うことにあります。従来の暗記重視の教育から、探求心を育む教育へとシフトすることで、生徒たちが自己の可能性を最大限に発揮できる環境を整えることができます。これにより、生徒たちは学びの楽しさを知り、主体的に学び続ける姿勢を身につけることができるでしょう。

教育は未来への投資であり、その効果は次世代にわたって続きます。だからこそ、私たちは今、教育の在り方を見直し、より良い未来を築くための基盤を作る必要があります。今回の特集を通じて、多くの人々が教育改革の重要性に気づき、その実現に向けて動き出すことを願っています。これからも、教育の進化とそれに伴う社会の変化に注目し、私たち自身も学び続ける姿勢を持ち続けたいと思います。


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