著者:アンデルセン
出版社:偕成社
物語の概要
雪の女王は、7つのエピソードから成る長編童話で、主人公ゲルダの冒険と彼女の友情と愛が中心に描かれています。物語は、邪悪なトロールが作り出した「魔法の鏡」が壊れ、その破片が少年カイの心と目に入り込むところから始まります。カイは冷たい性格になり、雪の女王に連れ去られてしまいますが、ゲルダはカイを救うために困難な旅に出ます。
1. 鏡とその破片
トロールが作り出した鏡は、すべてを醜く歪める力を持っており、壊れた破片が世界中に飛び散ります。この破片が人々の目や心に入り込み、彼らの視野と感情をゆがめてしまいます。特にカイが、この破片の影響を受けることが物語の発端です。
2. カイとゲルダ
カイとゲルダは親友で、毎日一緒に遊んでいました。しかし、カイは魔法の鏡の破片が目と心に入ってしまい、冷たくなります。その後、雪の女王にさらわれてしまい、北極の宮殿に連れて行かれます。
3. ゲルダの冒険の始まり
ゲルダは、カイを探すため一人で旅に出ます。彼女は困難に直面しながらも、さまざまな人々に助けられ、旅を続けます。彼女の強い意思と決意が、物語の軸となります。
4. 王子と王女
旅の途中で、ゲルダは親切な王子と王女に出会います。彼らはゲルダに食事や衣服を提供し、旅の続行を手助けします。彼らの助けによって、ゲルダは再び北へ向かいます。
5. 山賊の娘
ゲルダは山賊に捕まりますが、山賊の娘が彼女を救います。彼女はゲルダに共感し、友情を感じて、彼女を助けます。このエピソードは、意外な友情の誕生を描いています。
6. ラップランドの女とフィンランドの女
北へ向かう途中、ゲルダはラップランドの女とフィンランドの女に出会います。彼女たちは、ゲルダに「愛と勇気」が魔法を打ち破る鍵だと教え、カイの居場所への道を示します。
7. 雪の女王の宮殿
カイが雪の女王の魔法にかかっている宮殿にたどり着いたゲルダは、カイを発見します。彼女の涙がカイの心に触れたことで、カイは元の優しい少年に戻ります。カイはゲルダの愛によって救われ、2人は故郷へと戻ります。
所感
『雪の女王』は、愛と友情の力がいかに強大で、困難を乗り越えるために必要不可欠なものであるかを描いています。ゲルダの一途な愛と強い意志は、私たちに勇気を与えると同時に、真実の愛がどれほどの力を持つかを実感させます。
まとめ
本書の物語は、友情や愛が心を凍らせる困難さえも溶かすことができるという普遍的なメッセージを伝えています。ゲルダの冒険は単なる救出劇ではなく、彼女自身の成長や、他者への無償の愛を通じた自己実現の物語でもあります。現代社会においても、愛や勇気が困難を乗り越える鍵であることを本書は教えてくれます。
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