超影響力~歴史を変えたインフルエンサーに学ぶ人の動かし方

BOOK

超影響力~歴史を変えたインフルエンサーに学ぶ人の動かし方

著者:メンタリストDaiGo
出版社:祥伝社

コミュニケーションを円滑にする本

皆さんは、自分の話が思った通りに伝わらない、周りの人が思った通りに動いてくれない、と感じた経験は無いでしょうか。人は正論ではなく、感情で動く生き物です。いくら正しいことを言っても、他人との信頼の経路ができていなければその話は伝わりません。誰かに話を伝えるためには影響力が必要です。影響力とはすなわちその人との信用。本書はその信用を上げるための方法を紹介しています。主な方法は以下の三つです。

シュムージング

シュムージングとは親密度を増すコミュニケーション技術です。具体的には、相手との本格的な話の前に個人的なエピソードを交えることで、相手との心理的な距離を縮める方法です。シュムージングに効果的な話題は、個人の悩みや幸福感、趣味、弱点など、自己開示が中心です。これにより、相手も同様に個人的な情報を共有しやすくなり、互いの親密さが増します。

スタンフォード大学の研究によると、シュムージングを行ったグループは、そうでないグループに比べて20%も寄付を得やすかったと報告されています。この結果は、シュムージングが人間関係において信頼と協力を促進する効果的なツールであることを示しています。シュムージングは、ただの雑談とは異なり、相手との関係を深め、有意義なコミュニケーションを図るための戦略的アプローチです。

ストレングス

人には期待されると、それと同等以上の成果を発揮する、ピグマリオン効果と呼ばれる現象が働きます。人は高い能力を発揮するから褒められるのではなく、褒められるから高い能力を発揮するといっても過言ではありません。また、褒められると自分に対して好意を抱いてくれる人に対して、同様に好意を抱きやすくなるものです。初対面の相手であっても、慣れ親しんだ相手であっても、自分が思っている強みを素直に相手に伝え、円滑なコミュニケーションを取れるよう心がけましょう。

類似と共通点

人類はコミュニティーの規模を広げながら、現在のような進化や発展を遂げてきました。同じコミュニティーに属する人に対しては寛容に接し、異なるコミュニティーに対しては敵対的に接し、競争と進化を遂げてきたのです。その時に重要となったのが類似と共通点です。人間が生きていく上で得られるエネルギーは限られており、それをより好んで配分していたのは事実です。同じコミュニティー内の人を優遇するのは当然のことです。より、自分と類似した存在、自分に近しい存在を優遇するように、人類は進化してきました。このような本能的な思考を生かして、影響力を使いたい人に対しては類似と共通点を強調しましょう。

最後に

本書の結論は、自分が影響力を発揮するためには他人を思いやる必要があるということです。自分の思いを押し通すのではなく、他人を思いやることで影響力を含めすべてのことがうまくいくのではないでしょうか。そんな人間の根本的な原則を教えてくれたのが本書です。

常に他人のために何ができるか、他人がどうすれば喜ぶかを考えて行動することが重要です。人間は集団で生きる生き物です。そうした副作用として影響力を行使し、他者と協力して大きな何かを成し遂げられたら良いと思います。この本を通じて、私も他人との関係を大切にし、影響力を高めるための行動を心掛けたいと思います。


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