週刊ダイヤモンド 2024年 7/27号
出版社:ダイヤモンド社
中国EV業界の成長と労働の実態
中国のEVメーカーは近年、世界市場で急速に成長しています。NIO、Lio Auto、Xpengといった企業は、グローバルな競争の中で確固たる地位を築き、EV市場での存在感を強めています。しかし、その裏には過酷な労働環境が隠されています。日本やドイツの自動車メーカーが月平均20時間程度の残業時間であるのに対し、中国EVメーカーでは月に100時間以上の残業が常態化しているのです。
この猛烈な残業体制は、かつて日本が高度経済成長期に経験したものに似ており、中国はこの方法で急成長を遂げています。しかし、日本や欧米諸国が同じ手法を取り入れるのは難しいでしょう。労働者の健康と効率性を重視する現代では、労働時間の増加よりも効率化が求められているため、AIや自動化技術を活用することで生産性を向上させる必要があります。
外貨比率の上昇とその背景
日本の家計における外貨比率が2024年3月時点で4.2%に達し、過去最高レベルとなっています。これには円安が進行し、円の価値が相対的に低下していることが背景にあります。円の信用が下がる中で、資産を外貨にシフトする動きが広がっており、新NISAの普及もこれを後押ししています。
特に若年層の投資家は、外貨建て資産に対する関心が高まり、グローバルな視点での資産運用が進んでいます。これが続けば、国内の資金が海外に流出し、円の信頼がさらに揺らぐ可能性もあります。数十年後には、老後の資産を切り崩す際に外貨から円に戻る動きが見られるかもしれませんが、若年層の投資行動次第で、この流れは加速する可能性があります。
公務員制度の実情と今後の課題
公務員制度は、かつて安定と終身雇用の象徴でしたが、現代ではその魅力が薄れつつあります。給与の低迷や過酷な労働環境、さらに転職文化の定着により、若手公務員の早期退職が増え、優秀な人材が集まりにくい状況が続いています。
日本の行政機能を維持するためには、優秀な人材をどう確保し、魅力的な職業とするかが大きな課題です。給与体系の見直しや働き方改革を進め、公務員職を再び人気の職業にすることが必要です。
まとめ
今回の週刊ダイヤモンドでは、グローバル経済の動向や国内の労働問題についての重要なテーマが多く取り上げられました。中国のEV産業の成長には過酷な労働が隠れており、他国がこの競争にどう対応するかが注目されます。
また、日本国内では外貨投資の増加が続き、円の信頼に関する課題が浮き彫りになっています。さらに、公務員制度の現状は、若い世代にとって魅力的な職業として再構築される必要があり、これからの行政の在り方が問われています。これらの問題は、今後の日本社会にとって大きな課題となるでしょう。
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