週刊東洋経済 2024年5/18号【女性を伸ばす会社、潰す会社】
出版社:東洋経済新報社
日の丸電池と女性活躍についての回
日の丸電池
現在はCASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)と呼ばれる、自動車業界における100年に1度の変革期。従来のガソリンエンジンから電気モーターへ移行するために、各国が法整備や生産体制の見直しを行ってきました。現在ではCATLやBYDなどの中国企業、LGエナジーソリューション、サムスンSDIなどの韓国企業がリチウム電池の世界シェアの大半を占めています。しかし、その世界的なEVへの移行も一変し、ハイブリッド自動車も選択肢の一部として認められるなど、完全なるバッテリーEVの需要予測は減速しています。
日本の自動車メーカーは、リチウムイオン電池に代わる全固体電池の導入など、新たな技術での巻き返しを図っています。全固体電池は、従来のリチウムイオン電池に比べて安全性が高く、エネルギー密度も高いため、次世代の電池技術として注目されています。この技術革新が成功すれば、日本の自動車メーカーが再び世界市場で競争力を持つ可能性があります。
個人的には、日本企業の技術力には信頼を寄せていますが、市場の変化に柔軟に対応する姿勢も必要だと感じます。これからの動向に注目しつつ、日本企業が再び世界をリードする姿を期待したいと思います。
女性活躍
現在の日本企業においては、思うほど女性の社会進出が進んでいません。その原因として、「社会に根深く潜むバイアス」と日本の「変わらない力」が挙げられます。
社会に根深く潜むバイアス
人には期待されると想定以上の能力を発揮する「ピグマリオン効果」と言う性質があります。それとは反対に、教師や上司から低い期待をされるとパフォーマンスを悪化させる「ゴーレム効果」と呼ばれるものも存在します。女性は数学的・論理的な思考が苦手、通常の社会業務が苦手というバイアスが社会進出を阻んでいるのではないでしょうか。しかし実際は異なります。数学や論理思考において、教師から期待された女性は、男性同等の成績を上げることがデータから示されています。多少の能力の差はあれども、女性の活躍は充分可能です。
日本の変わらない力
日本は現在GDP 4位であるが、一人当たりの生産性は先進国最下位レベルです。その原因は、今までの業務を論理的に分析することなく、変えずに放置したためではないでしょうか。より効率的な働き方を求めるのではなく、長時間気合で働いてその場しのぎをしようとする。そうした働き方は、子育てによる時短勤務や育休と相反します。また、そうした企業においては、優秀な社員が別会社へ転職することになり、男性社員、女性社員ともに不人気な職場となります。生産性や従業員満足度、双方において利益をもたらさない今の働き方を改めるべきでしょう。
最後に
今回の記事を通じて、世界の現状と比較して、日本の危機的な状況を改めて確認しました。できることは少ないかもしれませんが、改めて自分ができることを考え直したいと思います。技術革新や女性の社会進出といったテーマは、一人一人の意識と行動から変わっていくものです。私たちも日々の生活や仕事の中で、小さな変化を積み重ねていくことが大切だと感じました。
技術革新においても、女性の社会進出においても、個々の意識改革が重要です。私たち一人一人が、日常の中でできることを見つけ、実践していくことで、社会全体の変革につながるはずです。特に日本の企業文化においては、既存の慣習やバイアスを見直し、効率的で柔軟な働き方を取り入れる努力が求められます。
さらに、これからの日本が国際競争力を維持し、さらなる発展を遂げるためには、多様な人材が活躍できる環境を整えることが不可欠です。女性も男性も、全ての人がその能力を最大限に発揮できる社会を目指していきましょう。
私たちが今できることは、小さな一歩かもしれません。しかし、その一歩が積み重なり、大きな変革へとつながることを信じて、日々の努力を続けていきたいと思います。日本企業が再び世界で輝く日を信じて、私たち一人一人ができることから始めましょう。未来をより良くするために、共に頑張りましょう。