著者:クリスティーン・ポラス
出版社:東洋経済新報社
無礼の影響と対処法を描いた作品
人間は生きている中で、数々の小さなストレス、いわゆるマイクロストレスを受けています。こうしたストレスは一つ一つは気づきにくいものですが、その悪影響はじわじわと積み重なり、最終的には大きなダメージをもたらすことがあります。本書は、そうしたストレスの影響と対処法を解説しています。
無礼の影響
無礼は、それを受けた本人だけでなく、周囲の人間にも波及します。無礼な扱いを受けた人間は、パフォーマンスや道徳心が低下し、その影響は周囲の人間にも伝わります。このような負の連鎖が繰り返されることで、組織全体の業績に悪影響を及ぼすことがあります。
さらに、無礼が蔓延することで、意図的にパフォーマンスを低下させる社員が現れたり、ストレスによる認知能力の低下が見られたりします。こうした環境では、企業全体の士気が下がり、業績の悪化を招くことになります。
無礼な社員の見極め方
このような無礼な社員に対して、どのように対応すれば良いのでしょうか?その対策として、明確なフィードバックを与えるための対話が有効です。しかし、その前に、本当にその社員と対話する必要があるかどうか、見極めが必要です。
見極めのためのチェックリストとして、以下の項目が挙げられます:
- a. その人と話すのは危険かどうか?
- b. その無礼な行いをわざとやっているか?
- c. その無礼な行いは初めてか?
これら3つの項目全てがイエスの場合のみ、会話による改善が見込まれます。
無礼な行いへの対処法
チェックリストを通過した場合は、明確なフィードバックを持って、その社員の無礼な行いを改善する必要があります。その際、フィードバックは社員本人を否定するものではなく、行いのみに焦点を当てることが重要です。
フィードバックでは、その無礼な行いによって本人がどのような損害を被るか、また改善された場合にどのような恩恵を受けることができるかを意識させると効果的です。そして、改善が見られた場合には、そのことを明確に本人に伝えることが大切です。それでも無礼な行いが改善されない場合は、残念ながらその組織を去ってもらうことが適切でしょう。
所感
本書を読んで感じたのは、無礼がいかに組織や個人に悪影響を与えるかということです。無礼が蔓延することで、職場の雰囲気が悪化し、生産性が低下する様子が詳細に描かれています。私自身、これまでに無礼な態度をとる人々に出会ったことがありますが、その影響がどれほど大きいかを改めて実感しました。
本書の内容を参考にしながら、無礼に対する対処法を学び、自分自身の行動や態度を見直すきっかけになりました。特に、明確なフィードバックを通じて無礼な行いを改善する方法は、実生活でも応用できると感じました。
また、無礼な行いを見極め、その根本原因を探るプロセスは、私たちが日常生活や仕事においても重要なスキルとなるでしょう。本書を通じて、他者との良好な関係を築くためのヒントを得ることができました。
まとめ
『Think CIVILITY(シンク シビリティ)』は、無礼がもたらす悪影響とその対処法を具体的に示した一冊です。本書を通じて、私たちは無礼に対する理解を深め、より良い人間関係を築くための方法を学ぶことができます。
無礼は私たちの日常生活や仕事の場において避けられない問題です。しかし、本書の内容を実践することで、無礼に対処し、心地よい環境を作ることが可能になります。この本を手に取り、自分自身や周囲の人々の行動を見直し、より良い人間関係を築くための一歩を踏み出しましょう。
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