世界最高のリーダーシップ【個の力を最大化し、組織を成功に向かわせる技術】

BOOK

著者: フランシス・フライ, アン・モリス
出版社: PHP研究所

組織の成果を最大化する本

世間には様々なビジネス本が溢れています。その多くは、個人としての能力を最大化することに焦点を当てています。しかし、人間は集団として技術を高め、ここまで進化してきた生き物です。本来は結束しながら何かを成し遂げるべきなのです。本書はその中でも、この力を活かし、チームとしての方向性を定め、成果を最大限にするノウハウを紹介しています。主な内容は、①エンパワーメント・リーダーシップ②存在のリーダーシップ③不在のリーダーシップという三つの柱から成り立っています。

① エンパワーメント・リーダーシップ

エンパワーメント・リーダーシップの考え方では、リーダーは単に自分の仕事を効率的にこなすのではなく、チームの一人一人に責任感と自信を持たせ、彼らが成長できる環境を整えることが重要です。短期的には自分ですべてをこなす方が早く感じるかもしれませんが、長期的には部下の成長を促すことこそが、チーム全体の生産性を高める鍵となるでしょう。

② 存在のリーダーシップ

存在のリーダーシップでは、リーダーが部下に安心感と信頼を与える役割を担うことが重要です。各メンバーが心理的安全性を感じる環境を作り出し、自由に意見を述べられる空間を提供することが、チームの成果を引き出すために欠かせない要素です。Googleの研究によると、この心理的安全性が高いチームは、創造性と生産性が向上することが明らかになっています。

③ 不在のリーダーシップ

不在のリーダーシップでは、リーダーがいなくても組織が円滑に機能するシステムを構築することが求められます。これは、情報の透明性や組織文化の定着が鍵となります。例えば、トヨタ生産方式では、トラブルが起きた際には全員で原因究明に取り組み、解決するという文化が根付いています。このような文化は、チームが自律的に機能するために不可欠です。

所感

本書を読んで強く感じたのは、リーダーシップは単に自分がすべてをやるのではなく、チーム全体を引き上げ、メンバーの成長を支援することが重要だという点です。エンパワーメントという考え方は、特に印象的でした。日常の業務の中で、短期的には自分でこなした方が効率的に思えることが多いものの、長期的にはチーム全体の成長を考慮することが重要であると再認識させられました。また、存在のリーダーシップにおいて「心理的安全性」を確保することが、チームの成功を左右するという考え方にも共感しました。

まとめ

「世界最高のリーダーシップ」は、個人のリーダーシップを超えた「組織の力を最大化する」ための具体的なアプローチを紹介しています。リーダーシップとは、他者を指導するだけではなく、彼らの成長を見守り、チーム全体としての成功を追求するプロセスであることが示されています。本書を通して、リーダーとしての在り方や、チームとの関わり方に対する考え方が一層深まりました。今後もこの教えを実践に活かし、より良いリーダーシップを目指したいと思います。

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