NieR:Automata Ver1.1a【機械と人間の境界を問う物語】

ANIME

著者・出版社

原作:スクウェア・エニックス『NieR:Automata』
制作:A-1 Pictures

概要

NieR:Automata Ver1.1a』は、2017年に発売されたアクションRPG『NieR:Automata』のアニメ化作品です。「Ver1.1a」という副題が示す通り、本作は単なるゲームの再現ではなく、新たな解釈や追加要素を含んだ形で描かれています。

舞台は西暦5012年。突如地球に襲来した異星人によって生み出された機械生命体が、人類を駆逐。生き残った人類はへと移住し、地球奪還を目指すべくアンドロイド部隊「ヨルハ」を創設しました。本作では、そんなヨルハ部隊の戦いを描きつつ、「人間とは何か」「生命とは何か」という哲学的な問いが提示されます。

主要キャラクター

ヨルハ部隊

2B(ツービー):戦闘型アンドロイド「ヨルハ二号B型」。冷静沈着で寡黙だが、内に秘めた感情が垣間見える。
9S(ナインエス):スキャナータイプのアンドロイド「ヨルハ九号S型」。情報収集やハッキングに優れ、2Bに対し人間らしい感情を見せる。
A2(エートゥー):ヨルハ部隊の前身となる「実験部隊」の生き残り。冷徹な戦士でありながら、過去の真実を知り苦悩する。

機械生命体

アダム:機械生命体の知的個体で哲学的な思想を持つ。人間の行動を模倣しながら、彼らの心理を研究する。
イヴ:アダムの兄弟的存在で暴力的な性格が際立つ。アダムへの依存が強く、彼の死をきっかけに暴走する。
パスカル:平和を望む機械生命体。戦いを拒否し、機械生命体の子どもたちを育てながら、共存の可能性を模索する。

物語の進行

序盤:ヨルハ部隊の派遣

ヨルハ部隊の2B9Sは、地球奪還の任務を受け、機械生命体の司令塔を破壊する作戦に挑む。しかし、作戦の途中で彼らは奇妙な光景を目にする。それは、本来感情を持たないはずの機械生命体が、人間のように振る舞い、言葉を交わす姿だった。

中盤:機械生命体の進化

パスカルの村に辿り着いた2Bと9Sは、争いを避け平和を求める機械生命体の存在を知る。しかし、その裏ではアダムイヴが機械生命体を進化させ、より高度な個体を生み出していた。9Sがアダムに囚われる中で、機械生命体の存在意義に関する謎が深まる。

終盤:ヨルハ部隊の運命と人類の真実

アダムを撃破した2B。しかし、その後、イヴが暴走し、大規模な機械生命体の攻撃が始まる。その最中、ヨルハ部隊が守るべき「人類」がすでに絶滅していたことが明らかになる。戦いの意味を見失いながらも、2Bと9Sは生き延びるために戦い続ける。

所感

『NieR:Automata Ver1.1a』は単なるバトルアクションではなく、視聴者に哲学的な問いを投げかける作品です。機械生命体が人間らしい行動をとり、アンドロイドが感情を持ち始める。それらを目にしたとき、私たちは「人間と機械の違い」について考えずにはいられません。

人間の特徴とされる憎しみ希望絶望を、機械が持ち始めたとき、私たちはそれを「生命」と呼ぶべきなのか。本作はこの疑問を徹底的に突き詰めており、単なるSF作品とは一線を画しています。

また、本作では「生きる理由」というテーマも描かれています。ヨルハ部隊は「人類を救うために戦う」という使命を背負っていますが、実際にはその人類は存在しない。彼らは目的を失った存在として戦い続けることになり、その姿はまるで現代社会を生きる私たちのようでもあります。

私は本作を見て、「生命とは何か?」という問いを深く考えさせられました。機械生命体の中には、もはや人間と見分けがつかないほど高度な知能感情を持つ個体も存在します。そうなると、人間が特別な存在だと考える根拠は何なのでしょうか?本作は、そうした価値観に根本から疑問を投げかけるのです。

まとめ

『NieR:Automata Ver1.1a』は、アンドロイドと機械生命体の戦争を通して、生命の本質存在意義を描く作品です。アクション要素はもちろんのこと、哲学的なテーマ心理描写が深く練り込まれており、視聴後も心に残るメッセージを届けてくれます。

特に「人間とは何か」「生命の定義とは」という疑問を考えるきっかけを与えてくれる点で、SF作品の中でも異彩を放っています。単なるエンターテインメントではなく、視聴者の価値観を揺さぶる作品として、多くの人におすすめしたい一作です。

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プロフィール
あつお

読書で得た知識をAIイラストとともに分かりやすく紹介するブログを運営中。技術・ビジネス・ライフハックの実践的な活用法を発信しています。趣味は読書、AI、旅行。学びを深めながら、新しい視点を届けられたら嬉しいです。

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