著者・出版社
原作:スクウェア・エニックス『NieR:Automata』
制作:A-1 Pictures
概要
『NieR:Automata Ver1.1a』の第2クールは、物語の核心に迫る続編です。第1クールでは、機械生命体が人間のような感情を持ち始めるという奇妙な現象が描かれましたが、第2クールでは、9Sの認識と存在、そして2Bの宿命に焦点が当てられます。
舞台は遠い未来の地球。人類はすでに絶滅し、地球を占拠する機械生命体と、それに対抗するアンドロイド部隊「ヨルハ」との戦いが続いています。しかし、ヨルハ部隊の目的は何なのか? 彼らが戦う意味とは何なのか? 9Sは、この果てしないループの中で、自分の存在意義を問い続けます。
主要キャラクター
ヨルハ部隊
2B(ツービー):戦闘型アンドロイド「ヨルハ二号B型」。冷静沈着で寡黙だが、9Sを守ろうとする意識が強い。
9S(ナインエス):スキャナータイプのアンドロイド「ヨルハ九号S型」。情報収集やハッキングに長け、ヨルハの隠された真実に気づいてしまう。
A2(エートゥー):ヨルハ部隊の前身となる「実験部隊」の生き残り。孤独な戦士として機械生命体と戦い続ける。
機械生命体
アダム:人間のように振る舞う機械生命体。死後も彼の思想が機械生命体に影響を与え続ける。
イヴ:アダムの兄弟的存在。アダムの死をきっかけに暴走する。
パスカル:平和を望む機械生命体。争いを避けながらも、機械生命体の進化を目の当たりにする。
物語の進行
序盤:9Sの疑念と2Bの宿命
ヨルハ部隊は機械生命体との戦いを続けるが、9Sは人類がすでに滅びていることを知る。
一方、2Bは9Sを何度も排除するという繰り返される運命を背負わされている。
しかし、9Sは決められた運命に抗おうとし、2Bの手を離れ、自らの意志で動き始める。
中盤:機械生命体の進化とパスカルの村
パスカルの村では、機械生命体が自らの社会を形成し、争いを避ける努力をしていた。
しかし、彼らもまた人間のように葛藤し、内紛を引き起こす。
9Sはこの光景を見て、「機械生命体と人類の違いとは何か?」という疑問を抱く。
終盤:ヨルハ部隊の崩壊と9Sの決意
ヨルハ部隊は敵の罠により壊滅。バンカーもまた攻撃を受け、司令官が消滅する。
2Bは9Sを守るために自らを犠牲にするが、彼女の遺志を受け継いだA2と9Sが最終決戦へと向かう。
9Sは自分の存在が何なのかを突き詰め、戦いの果てに何かを変えようとする。
所感
『NieR:Automata Ver1.1a』の第2クールは、人間と機械の境界線をさらに曖昧にする作品でした。
機械生命体は人間の感情を持ち、ヨルハ部隊は人類のために戦うとされているが、そもそも人類は存在しない。
では、彼らが戦う意味とは何なのか? この問いは、視聴者自身にも投げかけられます。
また、「運命に抗う9S」と「宿命を背負う2B」の関係性が強調されることで、
「私たちが生きる理由とは?」というより哲学的なテーマへと発展していました。
9Sの行動には、単なる戦闘ロボットとしての意識を超えた意志が宿っています。
何度も繰り返される悲劇の中で、彼は絶望しながらも運命を変えようとします。
この姿勢は、現実の私たちにも通じるものがありました。
「決められた未来を受け入れるのか? それとも自らの手で切り拓くのか?」
この選択に対する答えを、9Sは血と涙をもって示していました。
まとめ
『NieR:Automata Ver1.1a』第2クールは、
人間性、存在意義、運命の輪廻を深く掘り下げた作品でした。
アクション要素も素晴らしいですが、それ以上に哲学的なテーマが際立っており、
視聴者に強い感情の揺さぶりを与えました。
本作は、単なるアニメではなく、「私たちは何のために生きるのか?」
というテーマを真正面から問いかける作品です。
視聴後に深く考えさせられる、そんな唯一無二のストーリーでした。
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