【思い込みを手放し、新たな視点を持つために】

BOOK

著者:アダム・グラント
出版社:三笠書房

『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』は、固定観念に縛られた思考を柔軟にし、再考する力を養うための実践的なガイドです。本書では、私たちが陥りやすい思考の罠や、自己再考の重要性を示しつつ、他者や社会に対しても再考を促すアプローチを紹介しています。

①自分の再考

まず本書が強調するのは「自分の再考」です。私たちは、自分の思考が硬直しやすい瞬間を理解し、それにどう対処するかを学ばなければなりません。本書では、思考が硬直しやすいキャラクターとして「牧師」「警察官」「政治家」の3つのタイプが紹介されています。

牧師は自分の信じる正しい考えを他者に広めようとします。警察官は他者の誤りを指摘し続け、政治家は自分の意見を支持してもらうために、支持者を集めようとします。これらのキャラクターは、新しいアイデアや意見を受け入れにくい特徴を持ちます。

科学者マインドの重要性

グラントは「科学者マインド」を持つことが重要であると説きます。科学者マインドとは、常に自分の仮説が誤っている可能性を考慮し、新しい情報に基づいて考えを再構築する姿勢です。これによって、硬直した考えから脱却し、柔軟な発想が可能になります。

②他人の再考

他人の再考を促すためには、対話において「格闘技」ではなく「ダンス」のように振る舞うことが大切です。格闘技のように相手を打ち負かそうとする対話では、お互いの意見が交わらず、深い理解に至ることはありません。

ダンスのように相手のリズムに合わせながら、共に進んでいく姿勢を持つことで、他人にしなやかなマインドを持たせることが可能になります。これは、他人の意見を尊重しつつ、自分の視点も柔軟に取り入れていくことで実現されます。

③社会の再考

社会全体に対しても、広い意味での連帯感を持つことが有効です。宇宙飛行士のエピソードでは、宇宙から地球を眺めた飛行士たちが、人類全体への共感を強く持つようになったことが紹介されています。見知らぬ人々に対しても、自分たちと同じ仲間であるという意識を持つことが、社会の再考を促す鍵となります。

所感

本書を通じて、私たちは多くの場面で固定観念に囚われがちであることを実感します。しかし、柔軟な思考と再考を続けることで、より多くの可能性が広がります。ダンスのように他者と調和しながら対話を進める姿勢は、ビジネスや日常生活においても非常に有効です。

まとめ

『THINK AGAIN』は、柔軟な思考を促し、再考する力を養うための重要なヒントを提供します。これからの時代、再考し続ける姿勢こそが、新しい発展への鍵となるでしょう。本書を通じて、再考する力の大切さを改めて認識し、自分や社会に柔軟性を持たせることの意義を学びました。

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