著者:マクシーン アストン
出版社:東京書籍
自分がASDのチェックリストを確認してみたところ、基準の約2倍近い値が出たので、対策として本書を読了。完全には直せないものの、人間関係を少しでも改善できるのが本書の内容。アスペルガーの夫を持つ妻向けに書かれた本であるが、男性が読んでも参考になるだろう。そんな本書の主な内容は、①共感、②寛容、③自己開示。
①共感
アスペルガーの人は、独特の感性を持っている。しかも、その感性を、他人にも当てはめてしまう傾向がある。そのため会話によりすり合わせを行わないと、夫婦間ですれ違いが生じてしまう。そうした問題を防ぐためには、相手が自分と違うことを理解し、かつ相手の感情を想像する癖をつけるのが良いだろう。感情表現豊かなストーリーや、人間関係の軋轢が生じる場面を通じて相手の気持ちを想像するなど、少しずつでも共感力を養うトレーニングが有効である。
共感を身に付けるためには、日常の中で相手の立場に立つことを意識するのが大切です。例えば、映画や小説を通じて他人の感情に触れ、そこから得た感情を実生活に応用することが挙げられます。私自身も映画を観ながらキャラクターの感情を考えることで、実際の人間関係に役立てるように努めています。感情表現が豊かな作品に触れることで、感受性を高めることができるのです。
②寛容
アスペルガーの人は、厳密なルールや行動を好む。しかしときにはそれが行き過ぎてしまうこともあるだろう。特に自分の予想とは少しでも異なることが発生すると、パニックや怒りをあらわにしてしまう。そうした時は、そもそもの人間関係の目的を思い出すこと。その場では厳密なルールよりも、楽しく過ごすことが第一となるかもしれない。その目的以外の事は目をつぶり、寛容に楽しむことを覚えましょう。
寛容になるためには、相手の行動を理解し受け入れることが重要です。例えば、家族や友人との予定が急に変更になったときも、柔軟に対応できるように心掛けることが大切です。私自身も、計画が変わったときにストレスを感じることがありますが、その場の状況に適応することで、人間関係がスムーズに進むことを実感しています。楽しむことを第一に考え、柔軟な姿勢で臨むことが大切です。
③自己開示
アスペルガーの人は、自分が日々抱いている感情を毎日伝えなくても良いと思いがち。好きや愛してるの言葉を省いてしまう傾向がある。しかし、女性側から見れば、そうした言葉を毎日聞き、安心感や安らぎを感じたいもの。自分が大切にしている人には、その愛情や好意を素直に行動や言葉で表現しよう。
自己開示を行うことで、相手との信頼関係が深まります。例えば、日常の中で感じたことや考えたことを積極的に共有することで、相手も自分のことを理解しやすくなります。私自身も、日々の感情や出来事を家族や友人と共有することで、より深い信頼関係を築くことができました。些細なことでも、積極的に共有することが大切です。
最後に
アスペルガーの人でなくても、人間関係には苦労するもの。そうした不和の原因を1個1個解消してくれるのが本書。しかも相手の行動は変えられないが、自分の行動は変えられる。何か問題が発生したら、変えられるものに意識を向けて、少しずつ少しずつ良くしていきたいと思います。本書を通じて学んだことを実生活に取り入れることで、より良い人間関係を築いていきたいです。人間関係の改善は一朝一夕でできるものではありませんが、日々の努力と工夫で少しずつ改善していくことができるでしょう。自分自身の成長を感じながら、周囲との関係をより良いものにしていくために、本書の教えを大いに活用したいと思います。