ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代【創造性の追求:唯一の存在になるための歴史的名著】

BOOK

創造性の追求:唯一の存在になるための歴史的名著

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

著者:アダム グラント

出版社:三笠書房

唯一の存在になるための歴史的名著、アダム・グラントの「ORIGINALS 誰もが『人と違うこと』ができる時代」は、創造性とオリジナリティを発揮するための方法を探る一冊です。アダム・グラント氏は、自分自身何度も読み返している名作を通して、創造性、オリジナリティーというテーマに焦点を当てています。今回は、人々が個人の持つ創造性やオリジナリティを存分に発揮するための要素について解説しています。本書の主な内容は、①トライ数、②先延ばし、③周囲を味方に。

トライ数について

歴史的な芸術家の多くが、その著名な作品の裏で数々の平凡な作品を生み出していることはよく知られています。シェイクスピアやピカソ、アインシュタインは、最もよく知られている作品や論文の裏で、多くの挑戦を重ね、一般的なものも含めて数々の作品を世に送り出しています。生み出した作品数と、最も優れた作品の質は比例する傾向にあるのです。その挑戦の中で、化学者のようなマインドを発揮し、成功したポイントや失敗したポイントを見極め、うまくいった技術を極めていく。この長年の歴史や鍛錬の中でオリジナリティが発揮されます。

先延ばしについて

数多くの挑戦の中で、より質の高い成果を生み出すにはどうすれば良いのでしょうか。一つの方法として、頭の中で考え続けることが挙げられます。これはツァイガルニク効果と呼ばれる心理現象を利用すると良いです。未完了のタスクほど記憶に残りやすいという現象のことです。あるタスクやプロジェクトを完了させずに頭の中に残しておくことで、絶えず改善策を考え続けることができます。直前まで始めない先延ばしは悪とされますが、初めに少しだけ手をつけて実行自体を先延ばしするのは、良いアイデアを生み出す助けとなります。例えば、キング牧師の偉大な演説もこうして生まれました。

周囲を味方にする

個人として創造性を発揮できるようになったとしても、人間は集団で生きる生き物であり、必ず周囲の人を巻き込まなければなりません。その際、どうすれば他の人々に動いてもらえるのでしょうか。そのためにはじわじわと、相手とのつながりを構築するのが重要です。相手との共通点を見出すのも良いでしょう。自分がマイノリティで弱い存在であることを認知してもらい、味方につけるのも一つの手です。また、自分が行おうとしていることを少しずつ広げていき、変化の違和感を軽減するのも一つの方法です。自分の意見を押し通そうとするのではなく、徐々に変化を加えながら創造性を発揮しましょう。

最後に

テクノロジーの発達により、同じ情報が瞬時に拡散するようになった現代。FOMO(Fear Of Missing Out)と呼ばれる、自分だけが孤立している感覚や恐怖もつきまとうようになりました。その中でオリジナルな存在であることは非常に難しいことです。しかし、いつの時代も世界に変化をもたらしたのはオリジナルな存在です。本書を通じて、少しの恐怖心を乗り越え、創造性とオリジナリティを発揮することで、自分だけの道を切り拓く勇気を持ちたいと思います。

創造性を持つことは、単に新しいアイデアを生み出すだけでなく、自分の価値観や信念を信じ、他者と協力しながら進化し続ける力でもあります。現代社会で求められるのは、既存の枠を超えた発想と、それを実現するための行動力です。私たち一人ひとりが持つ創造性を最大限に引き出し、周囲を巻き込みながら新たな価値を創造していきたいものです。


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