自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義【自分を知り、活かす力】

BOOK

著者:ブライアン・R・リトル
出版社:大和書房

性格特性の教科書

① ビッグファイブの5つの特性

外向性(Extraversion)
外向性は、他者との交流をどれだけ積極的に行うかを示す特性です。外向性が高い人は、人との関わりを求め、社交的で、エネルギッシュです。パーティーやイベントに積極的に参加し、話すことに喜びを感じます。一方、内向的な人は、一人での時間を大切にし、長時間の交流に疲れを感じやすいです。

神経症傾向(Neuroticism)
感情の安定性や、ストレスへの反応の度合いを示します。神経症傾向が高い人は、気分の浮き沈みが激しく、不安やストレスを感じやすいです。逆に、神経症傾向が低い人は、冷静で感情が安定しており、困難な状況にも落ち着いて対応します。

開放性(Openness to Experience)
新しい経験やアイデアへの受け入れや、創造性、想像力の豊かさを表す特性です。開放性が高い人は、新しい経験を楽しみ、知識やスキルを広げることを好みます。逆に、低い人は、安定したルーチンや伝統を重視し、未知のものに慎重です。

調和性(Agreeableness)
他者との協力性や共感、信頼の度合いを示します。調和性が高い人は親切で思いやりがあり、他人の意見に耳を傾けます。一方で、調和性が低い人は、自己主張が強く、競争心が高い場合があるのが特徴です。

誠実性(Conscientiousness)
目標達成への意欲や計画性、責任感を示す特性。誠実性が高い人は、計画的で組織的に物事を進めることが得意です。逆に、誠実性が低い人は、衝動的でその場の流れに身を任せる傾向があります。

② 自分の特性と回復の重要性

生まれ持ったものと、今までの環境で培われたもの。これらの特性は、その人が持つ本来の性格を反映しています。しかし、社会に求められて演じる性格も存在します。自分の特性に合わない性格を演じていると、無理が生じ、次第に疲労が溜まります。そのため、回復のための時間や場所を設けることが必要です。

例えば、静かで誰もがいない環境が好きな人が、社交的な役割を長時間演じるとストレスが溜まります。そのような時は、自分が求める空間で回復を図ることが大切です。

③ コアプロジェクトと自己理解

回復できないと、メンタルに歪みが生じ、最終的にはパフォーマンスが低下します。その時に見直すべきなのが、自分が本来求めている価値観、**「コアプロジェクト」**です。自分が人生を通してやり遂げたい「コアプロジェクト」を見つけたら、全力集中します。現在の仕事を価値観に沿うように再解釈する「リフレーミング」や「ジョブ・クラフティング」も有効です。

自分の特性を知り、その特性を活かした行動を取ること。それが長期的なメンタル向上やパフォーマンスの向上に繋がります。曖昧さを許した複雑な性格診断により、自分の強みを知ることが重要です。

所感

この本を通じて、自分の特性と向き合うことの大切さを改めて感じました。私たちは完全に合理的な存在ではなく、感情や経験に基づいて動く生き物です。自分の特性を理解し、それを活かして行動することで、日々のストレスや無理のある役割から解放され、心の平穏を得ることができます。また、「コアプロジェクト」を見つけ、それに集中することの大切さも学びました。

自分が何を求めているのか、何を大切にしているのかを考える時間が、いかに必要であるか。現代社会の中で、つい見失いがちな「自分らしさ」を取り戻す手がかりがここにあります。自分の特性を知り、それに基づいた選択を行うことの重要性を実感しました。

まとめ

「自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義」は、自分の特性を理解し、それに基づいた行動を取ることの大切さを教えてくれる一冊です。ビッグファイブの性格特性を通じて、自分の行動や感情のパターンを理解し、それをどう生かすかのヒントを得られます。

回復の時間を持ち、自己理解を深めることは、メンタルの健康を保ち、パフォーマンスを向上させるために必要不可欠なプロセスです。また、人生を通してやり遂げたい「コアプロジェクト」を見つけ、それに全力を注ぐことの意義も学びました。

特性診断を通じて自分の「強み」を知り、それを最大限に活用していくことで、より充実した人生を築くための指針を得ることができます。自分が本当に求めているものに気付き、それに沿った行動を選択することの大切さを、改めて認識しました。

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