メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問
著書:細谷 功
出版社:PHP研究所
メタ思考力を鍛えるトレーニング
メンタリストDAIGOの放送で紹介された「メタ認知」という概念は、自分が認知している物事を一歩上の目線から眺め、客観的に認知することを指します。簡単に言えば、認知を認知することです。本書で取り上げられているメタ思考能力も同様の概念です。具体的な部分や一つの点に凝り固まった思考を一歩上から眺め、新たな視点から気づきを得るというものです。
本書『メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問』の著者、細谷 功氏は、メタ思考力を鍛えるトレーニング方法を紹介しています。このメタ思考力を得ることで、以下のような利点が得られるとされています。「私たちが成長する気づきを得られる」「思い込みや思考の癖から脱することができる」、そして「気づきや発想の広がりをもとに、創造的な発想ができる」。これらの利点は、現代の複雑で変化の激しい社会において非常に重要です。
利点を得るためには
では、このような利点を得るためにはどうすれば良いのでしょうか。そのためには課題の認識の時点で「why」を問いかけることが大事です。物事には本質となる部分が存在します。相手がなぜそれを求めているのか、自分はなぜそれをしたいのか。これらの疑問を深く追求することが、真の理解につながります。トヨタのなぜなぜ分析やソクラテス式問答法と同様に、自分が真理に到達するまで「なぜ」を問い続けることが重要です。
具体例:「回転寿司」の問題
本書ではその一例として「回転寿司」の問題が出題されています。回転寿司と同様の形式でお客様に提供できるものは何か。考えてみれば、食材以外でも適用できるかもしれません。回転寿司には「様々な種類があり、一品ごとに小分けができ、人により好みが異なる」という性質があります。海外では具材を同様の形式で提供する「回転しゃぶしゃぶ」が存在します。ピザやハンバーグは同様の形式で提供できるのか、できないとしたら何が原因なのか。これらを突き詰めることで、物事の本質をつかむ力が養われます。
当たり前を疑う「メタ思考」
当たり前だと思っていることに疑問を投げかける「メタ思考」や「クリティカルシンキング」を鍛える本書は、現代社会で非常に役立つスキルを提供します。テクノロジーの普及により、情報は瞬時に共有されるようになりましたが、だからこそ自分独自の思考を持つことがますます重要になっています。他人の模倣はAIの得意分野であり、人間にしかない強みを鍛えるために本書の内容を活かすことが大切です。
所感
私自身も、本書を読み進める中で、自分の思考の枠を広げ、新たな視点を得ることができました。特に「回転寿司」の問題を考えることで、どんな問題にも本質があり、それを見極めることの大切さを再認識しました。日常生活や仕事の中で、当たり前と思っていることに対して疑問を持ち、その背後にある本質を探る姿勢を持ち続けたいと思います。このメタ思考を通じて、より創造的で有意義な発想を生み出し、自分の成長につなげていきたいです。